なにもかも想像を超える規模の畑とエッセンシャルオイルの蒸留所(1)

■ クラリセージの収穫

 

 

突然目の前に現れたクラリセージ畑は車で走っても走っても続いています。

画質が悪くて申し訳ございません。クラリセージ畑の広さは感じていただけると思います。

 

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クラリセージの畑は主要な道路からそれて、車がやっと通れるような山道(草むら)を激しい揺れを伴いながら延々と進むとやっと見えてきました。とても普通の車では行けず、タイヤが太いピックアップトラックに乗り換えました。坂道は急で標高はおよそ700m前後です。車を止めて外へ降りましたが足場が不安定で立つことも間々なりません。

 

 

これは序の口、今後ますますひどくなります。

 

東京ドーム○○個分で表現したくなるほど広い畑

 

 

そもそも、オーガニック認証を取得するためにはいくつかの基準があります。近隣で農薬を使用している畑がないこと、遺伝子組み換え作物を栽培している畑などがないこと等厳しい基準を満たすためには、このように人間から隔離された自然に近い環境で作物を栽培する必要があるようです。

 

 

 

 

クラリセージの畑は広大で、この畑があちこちに広がっています。まだ生き生きとしているクラリセージの花を触ると油のようなものが手に付着しました。この畑は数日後に刈り取り作業を行うようです。

 

花に触るとすぐに油が付着します

平らに見えますが、踏ん張っていないとそのまま下がっていってしまうほど急な斜面です。

 

 

違う畑に移動をすると、大型の重機が爆音をとどろかせながら作業をしていました。人間の背丈ほどあるタイヤが大地を踏みしめ、乾燥させたクラリセージを刈り込んでいきます。クラリセージの抽出部位は「全草」。花と茎、葉を同時に刈り込み蒸留を行います。刈り取られたクラリセージはそのまま数km先にある蒸留所に運ばれます。

 

 

日本では見ないサイズの重機で、刈り取りと裁断を同時に行い後ろのコンテナに送り込みます。

 

 

収穫作業はひとりです。

 

 

このコンテナのまま蒸留所へ移動します。

 

 

■ 蒸留所に到着

 

蒸留所は山の中にありますが、太陽光パネルを備えていました。

 

 

蒸留所には2通りあり、この生産者のように専用の蒸留施設を持っている場合もあれば、小規模な生産者は他社に蒸留を「委託」します。「蒸留器」自体はシンプルな構造ですが、それに付随する設備(給水、加熱)は設置、メンテナンスにお金がかかりそうですのでひとつの生産者が全てを賄うことはとても大変なことだと思いました。そもそも、蒸留は昔からある方法なので今でも「水蒸気を窯に送り込んであとはちょろちょろ」等と考えていただけに、このような大規模設備を伴って蒸留をしていることにとても驚きました。

 

 

左が蒸留器、奥がボイラー

 

 

蒸留に使用する地下水を貯めておくタンク

 

 

蒸留所には2台のトラクターが蒸留作業を行っていました。植物を積載したコンテナに直接蒸気を送り込み「窯」を働きをする「直接蒸留」という方法でクラリセージやラベンダー、ラヴァンディンを蒸留するそうです。コンテナの中身を見せてもらいました。

 

 

 

 

 

コンテナの大きさが分かります。これは9トン用。

 

 

水蒸気が出てくる底部のパイプ。

 

 

穴が開いています。

 

 

ボイラーから延びるホース。

 

 

加圧しているためホースは頑丈です。

 

 

コンテナの底には4,5本のパイプが通っており、パイプには穴が開いています。このパイプから出た蒸気が植物から精油成分を取り出します。コンテナには9トンタイプと13トンタイプの2種類があり、それぞれ3トン前後(3,000リットル)の水から生まれた水蒸気を圧力をかけて一気にコンテナの中に送り込みます。一気にコンテナ内の温度をあげないと効率よく精油を抽出できないだけでなく、植物が傷んでしまい精油の質が下がってしまうからだそうです。

 

水蒸気を加える時間はおよそ30分、その後1時間放置しいよいよ精油の蒸留が始まります。

 

 

■ 蒸留までのまとめ

 

クラリセージを収穫したトラックは収穫後すぐに蒸留所へ移動。

蒸留所は近代的で大規模な装置を備える。

1度の蒸留で使用する植物の量は9トンもしくは13トン。

蒸留所ではすぐにホースを接続し、約3トンの水蒸気を圧力をかけながら一気に注入。

蒸留に使用する水は地下水。

30分間蒸気を注入し、60分放置。その後蒸留作業。

 

次回は精油の取り出しを動画と共に見ていきましょう!

 

 

 

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10年越し エッセンシャルオイル蒸留行程見学への思い

日本アロマ環境協会が販売する「精油物語」というDVDを見て、いつか自分もその現場に立ち会いたいと思っていました。アロマテラピーの仕事を本格的に初めて10年以上が経過しましたが、エッセンシャルオイルの蒸留風景をこの目で見たことは一度もありません。それは見たことがないと言うよりも「見ることが難しい」といった方が正しいかもしれません。なぜなら

 

・エッセンシャルオイルの蒸留は発展途上国の山中で行われていることが多く、アクセスや言語の壁が大きいこと。

・生産者は蒸留所や農場を不特定多数の人に公開することを嫌うこと。

・植物の開花や蒸留のタイミングはその年により異なるため事前の日程調整が難しいこと。

 

などがあります。裏を返せば「生産者と頻繁に情報交換が出来る強い結びつきや蒸留所をオープンに出来る程の信頼関係がないと海外でエッセンシャルオイルの蒸留を見ることは出来ない」といっても過言ではありません。観光客を対象に蒸留所を公開している生産者をインターネットで見つけることは出来ますが、そうではなく自分が販売しているエッセンシャルオイルがどのように作られているかを知ることが、お客様により自信を持ってメドウズをお届けする上で必要不可欠なことと考えていました。

 

2018年3月にダーリン・ペインにこのことを相談をしました。すると彼は「蒸留期間が比較的長く、アクセスや言語の壁が低いフランスのクラリセージ、ラヴァンディンの生産者に聞いてみる」と快諾をしてくれました。そしてこの生産者を2018年7月に訪問することが決まったのです。

 

今年は日本でも豪雨や熱波に悩まされていますが、それはヨーロッパでも一緒で6月までほぼ毎日のように雨が降っていたと言います。いっこうに晴れ間がなく、来る日も来る日も雨模様。ハーブの生育も遅れ気味で、もしかしたら私がフランスを訪れる7月の蒸留が遅れるのではとの話もありました。念願のエッセンシャルオイルの蒸留風景をこの目に焼き付ける絶好のチャンスが自分のスケジュールとピッタリ重なるかとても不安でした。

 

青空が広がる夏のプロヴァンス地方

 

 

6月以降は雨も上がり、毎日乾燥した晴れの天気が続き予定より10日くらい遅れたものの、私が蒸留所を訪れる7月20日にはいずれかの作物を蒸留する予定と聞いたときは本当にうれしかったです。

 

以前から弊社が大変お世話になっている株式会社彩生舎様とともにフランスのその他のメーカー様を訪れる仕事もあり、高まる期待を胸に7月9日羽田空港からフランスパリを経由してマルセイユに向かいました。

 

 

水戸からは羽田も成田もアクセスが良くとても助かります。

今回は羽田発パリ行きの飛行機でほぼほぼ満席でした。

 

 

彩生舎様は7月17日帰国の途に就くためその前日の16日に、ダーリン・ペインは600厠イ譴疹貊蠅らはるばる車でやってきました。途中激しい雷雨があり運転も間々ならなかったそうですが、疲れを一つも見せず元気な姿を1年ぶりに見かけとてもうれしくなりました。16日の夕食は彩生舎の西村社長とおふたりの従業員の方と共に、5人で夕食を共にしました。

※日付が前後してしまいますが、彩生舎様との滞在期間中も大きな発見の連続でした。後日この場でご紹介させてください。

 

ダーリン・ペインと彩生舎の西村社長。

ダーリンは自分でブレンドを考えたオリジナルの香水をひとりひとりにおみやげで持ってきてくれました。

 

 

いよいよ蒸留所見学の日を迎えます。蒸留所が近くなると私たちを迎えてくれたものはどこまでもどこまでも広がるクラリセージでした。

 

 

 

 

 

私の想像とは少し違う蒸留所はクラリセージの甘い香りで包まれていましたが、長くなってきましたので蒸留所の様子は次回のブログでご案内いたします。

 

念願の精油蒸留所見学(2018年欧州アロマ紀行)を終えて

株式会社メドウズアロマテラピープロダクツの鈴木 壮哉です。ここ数日の猛暑が日本列島を襲っておりますが、皆様も体調維持、管理にはくれぐれもお気をつけくださいませ。

 

以前にもこのブログでご紹介をさせていただきましたが、先月フランス、イギリスに出張してきました。前半は以前弊社と提携をさせていただいてた彩生舎様とご一緒にプロヴァンス地方を回り、後半はダーリン・ペインと南仏のクラリセージ畑と蒸留所の見学、イギリスのメドウズ社訪問、そして日系企業の駐在員をしているドイツに住む友人を訪ねてきました。

 

この数日間で体験してきたことを簡単にご紹介します。

 

夏のプロヴァンスは雨が降らず抜けるような青空が楽しめます。

 

 

一面に広がるブドウ畑。日本のような人口数万〜数十万といった「市」はほとんどなく人口数千人の村が点在するプロヴァンス地方では各村が特色を生かしたオリジナリティあふれるワイン作りに励んでいます。

 

 

フランスがワールドカップで優勝をした瞬間。カンヌ近郊の小さな町のパブリックビューイングでその雰囲気を共有してきました。

 

 

香水の都グラースにある「国際香水博物館」では香水の原料に使われたエッセンシャルオイルの製造方法を装置と共に分かりやすく解説。日本の博物館とは異なり、見るという受け身の行動だけではなく実際に触れて体験することでより身近に感じることが出来るのが面白かったです。

 

 

ダーリン・ペインと宿泊したコテージでは夜ジャスコンサートが開かれました。ワイン開け過ぎですよね。

(ちなみに私はお酒が飲めません・・・)。

 

 

 

 

 

 

 

 

クラリセージ畑と蒸留所の風景。クラリセージの花に触れただけでもエッセンシャルオイルが染みだしてきました。大型の重機で刈り取りをし、すぐに蒸留所に運ばれます。

 

 

ラベンダー・ラヴァンディンが花盛り。間もなく収穫されエッセンシャルオイル作りが始まります。

 

 

イギリスといえばガーデニング。やはりこのレンガにバラを見つけると「イギリスに来た」という感じがします

 

 

今回の出張では多くの人と触れ合い、様々なお話や経験を共有することで日本とは全く違う生き方や価値観が存在することを勉強できました。これから何回かのブログに分けて、皆様にご紹介をしていきたいと思いますので楽しみにお待ちください。

 

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